February 2022

UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川2022

photographer: Waki Hamatsu

この場所は敷地内の母屋に暮らすゆうやくんのお父様たつおさん(左官職人)の仕事場でした。常々の自身の制作過程とお父様の職人としての作業過程を思い重ね合わせながら、この場所でしか有り得ない私の内面を探る時間となりました。

1階 「私はこうやって作っている。」

練って、つけて、のばして、とって、ひっかいて、またつけて。こうやって私は自分の中を作っています。自分の内にある「器」を作っています。この「器」のさらに内側はこのように無数のスイッチがあって、オンにしたり、オフにしたりしながら暮らしています。

2階 「物語を描くとは。」

私は、日々生きていくことを物語を描くようなものとして捉えています。ちょっとしたラッキーなことも、クソっと思う嫌なことも、心躍る新しい出会いも、無知だったと思い知らされる経験も。少し角度を変えて思いを巡らせると、全てのことがまるで物語のように見えてくるのです。日常の景色を物語に変えていくためには、どんなに小さな事であっても琴線に触れたのならば、私の「内在する器」に入れていく。それを積み重ねることで、たとえ他者と同じ景色を見ていたとしても、私だけに描ける物語が現れるのです。「内在する器」とは、肉眼で見えている現象に起こり得た・起こり得るであろう物語を描き、読み聞かせてくれる大切な道具なのです。今回、「内在する器」の具現化を試みました。この作品の中に入り、二階の窓から見える景色を見てください。そして琴線に触れたものがあればぜひご自身の「器」にそっと入れて持ち帰っていただきたいのです。