自身に見えている景色は必ず自身で変えることができる
- 抜里の茶畑に色を咲かせる -photo: Emi Kodama Movie: Hirotaka Yamamoto
私たちは自身で見ている日々の景色を意識することもなく暮らしていることが多いのかも知れません。
今日歩いてる道を明日突然川に変えることや、今世界から戦争を無くすことを可能にすることは難しいのですが、一人一人に見えているその日常の景色を突然変えてしまうことは実はできると私は思っていますし、何度もそうのような経験をしてきました。それは子供も大人も可能です。ここでいう景色とは今自分が置かれている状況や環境。即ちそれは日々巻き起こる現象を受け取る感覚のことです。景色とは実在する風景に触れることだけを指すのではなく、自ら描くことも景色と言います。 島田市にある抜里の集落に今は手入れをされていない、そこだけ森のようになった茶畑があります。周りの整然と手入れをされている茶畑の中でそこだけが別世界になっていました。ならばいっそこの森の茶畑にみんなで「色」を咲かせたいと思ったのです。私は抜里に通うようになり気づいたことがあります。それは抜里では自分が立っている現実を引きで見てみることができる状況と環境が揃っているということです。どの世界にも少しみなから外れてしまうものあがあります。外れたものが見せる景色も実はちゃんとあるのです。今回のこのワークショップに関しても自身の制作を里山に登って、遠くから見下ろした時に自分の手が施した細やかな制作が少しだけ周りとは違う茶畑が村の景色を変え得ることが可能なのかを実体験したいと思うのです。そしてその現実的な景色の変化と自身に巻き起こる感覚の変化、これが景色を変えるということだと各々が実感できるのか。その実験です。 「色を咲かせる」とはお茶には9月から11月頃に椿のような花が咲きます。そこから4月の新録の素晴らしく美しい黄緑色を迎えるまで特に芸術祭が開かれる2月3月は葉の色も渋みがかった緑へと変化します。このお茶の花が咲く頃、「森と化した茶畑」にオーガニックの絵の具を使って茶の葉に絵を描いていこうと思います。一枚一枚に各々が描く作業は細やかなものになりますが、それを里山に登ってみんなで見た時に、景色とは何なのかを一緒に知れたらと思うのです。
TAKAGI KAORU
Workshop Report
見えているとは?私には何か見えていたのか問おてみた。ワークショップの作品は着地点を決めてはいない。私的に。なぜなら多くの人のドラマが重なり合って完成するからだ。そこに私の意思や導きはほぼ無くていい。その変わりできる限りの個人の背負っているドラマを感じたい。茶畑で絵を描く皆は各々に自分の人生と云う背負い籠を背負った茶摘みする人の姿み見えた。私がこのワークショップを決めた半年以上も前に見えていたもの。それは「変化」という新しい景色に自ら足を踏み入れる決心の笑顔を見れる。と云う事だけだ。
TAKAGI KAORU
Emi Kodama "note"
https://note.com/emikodama/n/ne3c039ef8537