「生を資け道に順うの具」
文/TAKAGI KAORU常に私の目の前にある景色は、さまざまな人間の人生で成り立っている。
さまざまな人間が歩んで来た、そして歩んで行くであろう人生によって、
今、私が立っているこの景色の一瞬が成り立っているのだとある日猛烈に実感する。
その途端、ほんのさっきまでただの風景だった町並み、人並みは物語に変わる。
実感とは、ある日突然人それぞれに違ったタイミングで訪れる。
わたしの道具が動いたのだと思う。
わたしの中にあるお道具。即ち「内在するアクセサリー」がうまく受けたのだと思う。
目の前に起こった出来事を「いとをかしく」捉える事ができたのだ。
そうすると世界は誰もが見ることのできない私だけの景色に変わる。
海を越えたから景色が変わるのでは無い。
空を飛んだから旅に出られるのでは無い。
常に自身の道具が動いていれば景色は変えられる。
そして旅は始められる。
道具は面白い。持っているなら多いに使いたいと思う。
あなたは自身のお道具をお持ちですか?